お菓子づくりの考え方

1.お客様の声に励まされ。

平成7年夏神奈川県の機械メーカーで設計の仕事をしてた時、母の体調が優れないという連絡がきました。設計の仕事に面白さも感じていた時でしたし、家業を継ぐつもりはまったくありませんでした。しかも家業は和菓子屋。どんどん拡大している市場というわけでもありません。

大変悩んだ末に平成8年に鹿児島に戻ってきました。設計屋が菓子屋になったわけです。製菓学校に行ったり菓子屋で修行をしたこともありません。何もわからないところからのスタートでした。

最初はほんとうに苦しかったです。「おいしいね」というお客様からいただく声に励まされながらの毎日です。日々家に伝わる製法を学び、和菓子づくりの研究を行い、原料の仕入先などの方々に教えていただきながら、次第に今の「竜乃家の作り方」と「竜乃家の考え方」が出来上がってきました。

2.素材を活かす、無理させない。

竜乃家は昭和51年に父が『滝ノ神茶屋』として姶良市の加治木町の名物『加治木饅頭』の製造小売り店として創業したことがルーツとなります。創業時は当時オープンしたばかりの吉野公園から鹿児島市内への帰り路、蒸したてホカホカの加治木饅頭を求めたお客さんで賑わいました。素朴な味わいの郷土菓子を作りが当店の原点と言えます。

ですから、今でも大切にしているのは、素朴で自然な味の菓子を作り続けること。自然のものを口にすると、なぜかホッとするものです。原料を吟味すること。そして、どんどん味を足していくというよりは、素材の味を引き出し、毎日食べても飽きない、「優しい味わい」を大切にしています。

竜乃家のお菓子には派手さや豪華さはありませんが、だからこそ、日々の生活の中でお召し上がりいただいているのだと思います。

3.嬉しかったアンテナショップNo.1

東京の有楽町に鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」があります。鹿児島の味が一同に揃うそのお店に、当店の「かるかん 軽羹」を置かせていただけるようになりました。

最初はどうなることかと思っていましたが、鹿児島産のお茶とお菓子を一緒に提供していただく企画「百円茶屋」に採用して頂くなど「かごしま遊楽館」の皆さんのあたたかい応援のかいあって年々売り上げも伸びて行きました。

そうした折り、『週刊朝日』の全国47都道府県ご当地ショップ売り上げトップ3という記事のなかで、当店の「かるかん 軽羹」が売り上げ1位と紹介されたのです。

これにはもうびっくりしました。原料の山芋をたっぷりつかい、もっちりした独特の食感とすっきりした和の甘みが感じられる「かるかん 軽羹」です。東京にお住まいの方々にご評価いただけたのだと、ほんとうに嬉しく思いました。

手のひらに乗るような小さなお菓子ですが、毎朝早朝4時に起き、ひとつひとつ、ていねいに、手を抜かずに作り続けてきたことを、誰かが見てくれていたような気持ちでした。

4.鹿児島の郷土菓子で県外へ。

鹿児島市の滝ノ神茶屋から始まり、次第に鹿児島県内スーパーで販売いただくようになり、数年前からは「かごしま遊楽館」をはじめ県外での販売にも挑戦しています。

当店は鹿児島の郷土菓子を中心とした和菓子屋です。鹿児島以外の方に受け入れていただけるのか不安もありましたが、素朴で懐かしいほっとする味として、県外小売店さんからのお問い合わせが増えています。

鹿児島の味が東京や大阪、福岡など別の場所で気に入っていただけるのは、「ほっとする味」をモットーに、日々勤めてきた味が評価されてるようで嬉しいです。
この県外での販売に挑戦した時のことが、地元MBC南日本放送さんで取材・放送いただいたので、よろしければご覧ください。

▼こちらからご覧ください。
※0分43秒~3分30秒あたりです。

▶ こちらからご覧ください。

※0分43秒~3分30秒あたりです。

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https://blogs.mbc.co.jp/furukago/6807

5.郷土の味を今の時代に。

鹿児島の郷土菓子「いこ餅」をひと口サイズの詰合せにした「薩摩いこ餅」のように、地元の味とお菓子文化を大切にしながら今の時代に食べやすいように、食べたくなるように変えていくことにも取り組んでいきたいと考えています。

長年働いてくれているスタッフとともに、郷土の味と文化を第一に、ていねいなものづくりを続けていきます。

竜乃家 二代目 二見竜生

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